理事長エッセイ

平成16年6月

子供との触れ合い 保護者との交流
 ―― お楽しみ音楽会と絵本サークルの活動を通して ――

理事長 安井俊明

 本年のお楽しみ音楽会は 6月29日に開催され、年長の保護者の方が約2時間にわたって参観・鑑賞されました。今年の1月の泉の森コンサートでお世話頂いた泉佐野市の方2名と、オペラ歌手の花篤孝子さんがお客さんとしてお見えになりました。
 先生が始めと終わりに1曲ずつ、花篤さんにも1曲披露頂きました。
園児たちは 全部で19曲発表しましたが、その間、観客の私語は一切なく、全ての人の目が舞台に集中し、舞台の園児たちと観客のお母さん・お父さん・家族の方々の心が触れ合い、胸震わせたひと時でした。


 5月の選曲から始まって約1ヶ月の練習、そして本番。私はこれら一連の過程を  音楽会と考えています。一連の過程とは、

(1)
先生方の全力投球が園児たちに伝わり、園児の真剣さを生み出し、集中力も養われる。
(2)
心を一つにして一生懸命歌った後は、達成感や喜びを得る。
(3)
そしてこれらが自信につながり、物事に対して意欲的に積極的になる。


そして、これらこそ安松幼稚園が求めているものです。

 さてこういう教育を貫くことができるのも、保護者の後押しがあってのことです。
後日、多くの方からお手紙を頂き、その一部は「お母さんからのお便り」に掲載しました。
その多くは、
  ・園児たちのひたむきに真剣に歌っている姿に感動
  ・歌そのものに感動
  ・先生方の打ち込んでいる姿に感動 そして 感謝
  ・家でも楽しんで歌っている

等々でした。
 このように園と保護者が、上記の(1)~(3)を共に大切に思い、その価値を共有していることがとても大切なのです。
 音楽会を通して、また保護者の方の手紙を通して、先生方も達成感や喜びを得ています。そしてこの喜びを、また子供に還していきたいものだと、強く感じています。



 先日の絵本の読み聞かせに参加されたお母さんからの お手紙
  ・子供の集中力に感心
  ・帰る際の「おばちゃん、今日 本を読んでくれて有難う」という子供からのさりげない語りかけに感動
なども、当園が目指し感動することがらと、保護者が感動することがらがぴったりと一致している事を示しています。

 これが 例えば 園が、「幼児期だからこそ、集中力を身につけ、みんなの心を一つとし、一生懸命に物事にとりくみ、終わった後の達成感と喜びを経験させてやりたい。これが将来の生きる力につながる」と考えているのに対し、保護者の大半が「子供は小さいんだから、子供の好きなようにさしてやればよい」と考えれば、こういう音楽会を持つことはできないし、その考えを突き詰めれば、幼児には教育そのものが必要ないということになるでしょう。

 その意味で、骨太な所で園と保護者の教育観が一致することはとても大切であり、保護者の教育観が、そのまま園の教育レベルを決めていくともいえます。
 安松幼稚園の先生方は、子供との触れ合い、保護者との交流の中から、達成感や生きていく喜びとエネルギーを得ています。これからも園児を中心にして、園と保護者が多くの感動を共有したいものだと願っています。
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