理事長エッセイ
年長さんの持久走:経過報告(2) そして 保護者の感想
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理事長 安井俊明
やりますねぇ!! 年長さん!!
持久走を週2回(行事や雨の時は中止)のペースで始め、現時点で7回の実施となりました。
全員に同じ距離を課すのではなく、個々の体力とその日の体調、天候に応じて、距離を設定しています。
3周2Kmのコースですが、1周走ると手首に幅のあるゴムひもをつけていきます。
とにかく無理をさせず、しかし気持ちの上では負けない強い心を持つように、励ましながら、各自のペースでゆっくり走ります。
最初の第1回は慎重に3周まで、第2、3回目は最長4周までと「もっと走りたい」という園児にブレーキをかけながらやっています。
4回目以降は、余力のある園児は5周まで走りましたが、当分の間は最長5周でゴールとする予定です。
欠席・見学 |
1周 |
2周 |
3周 |
4周 |
5周
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第1回 |
14名
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7名
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83名
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第2回 |
15名
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4名
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78名
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7名
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第3回 |
7名
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6名
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68名
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23名
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第4回 |
6名
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2名
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52名
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41名
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3名
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第5回 |
9名
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35名
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54名
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6名
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第6回 |
8名
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2名
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19名
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60名
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15名
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第7回
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11名
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3名
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9名
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33名
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46名
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中には走るのが苦手な子もいます。
園児には、「長く早く走ることが、一番偉いのではない。自分のもっている力の中で、一生懸命挑戦することが大事なのよ。短い距離でも、一生懸命走る子が金メダルなんですよ」という話を、子供の心にストンと落ちるように、入れていきます。
現場でも、最終の子がゴールする時は、「頑張れ、頑張れ」「あと少しよ!!」という声と共に、大きな拍手が沸き上がります。
またウオーキングなどをしている一般の方から、「がんばりや」「しっかりなぁ」「えらいなぁ」等々の声をかけて頂き、周りの方との触れ合いという副産物も生まれています。
園児一人一人に簡略な地図を渡し、走った跡を書き込み、意欲と楽しみをもたせるようにしています。
幼稚園を出発して、泉佐野2.2Km,岸和田11Km,堺27Km,難波37Km,
大阪41Km,新大阪45Km,京都84Km,米原152Km 等々のように……。
「卒園までに、どこまで旅行できるかなぁ」と、ワクワクしながら話し合っています。
「マラソンや 「雨ふるな
はしってはしって きょうもマラソン
おもしろい」 はしりたい」
右は、雨で持久走が流れた後に園児が持ってきた句です。
先生・園児・一般の方々等、「ワイワイがやがや」言いながら、楽しく取り組んでいます。
補:年中さんのダッシュも、根気良く続けています。明らかに、走る姿・ランニングフォームが力強くなり、スピードが増しました。
何事も、継続は力なり という思いを強くしています。
補:幼稚園児が3?4Kmを平気で走ると聞かれて、驚かれる方もあると思います。最近大阪大学医学部のお医者さんと話をしましたが、「子供は運動してもほとんど乳酸がたまらないので、大人と比して、疲労が蓄積しないのです。大人の感覚で子供の運動を考えては間違います。」とのことでした。
昨今、フルマラソンを完走した幼稚園児達11人のことが報道されましたが、うちの園児たちを見ていても、平素の基礎トレーニングさえ続ければ、そう無理な話ではないと感じています。
教育は大人の頭で考えるのではなく、子供の発達段階を調べ研究し、子供の実態を基にして組み立てられなくてはならないということを、改めて強く感じさせられました。
(もっともフルマラソンは当園の目指すものではありませんので、念のため)
補:幼児の体力育成について一言
子供の発達は、身体の完成前に神経系の発達が先行すると言われている。それゆえ、幼児期は「調整力」が発達する。「調整力」は神経系が司るからである。
調整力の基本的技能は、「走る」「投げる」「跳ぶ」など、「動くことを楽しむ」ことに象徴される。
持久走雑感――保護者の感想
結構楽しそうな持久走
年長梅組 高師美千代
いつもお世話になっています。
……少し略……
次に、5月末から始まった持久走ですが、初めのうちは「疲れた~ 」「走りたくないよ~ 」って、妃奈から言われると思っていました。
でも結構楽しいようで、「今日はできたら4周走ってくるね 」と言って、園へ行きます……が、「頑張ったけど3周だった」と、苦笑い どうすれば4周走れるのかと考えてるようです。
明日は、1学期最後の持久走.
思いっきり悔いのないように、全力で走ってきてほしいです。何事にも頑張る妃奈は、私達の自慢です。親としてとても嬉しいです。
明日は4周走れなくても、「よく頑張ったね!」と、いっぱ~い褒めたいと思います。
長い距離を走れるお友達を素直に応援し
自分もそうなりたいと頑張る気持ちが芽生えて
年長桃組 寺田陽子
いつもお世話になっています。
昨日のマラソンの報告は、とても嬉しかったです。
火曜・木曜に○○公園でマラソンを始めると聞いた時、「うちの子は大丈夫かなぁ」という心配が少しありました。
○回目、「僕は3周走ったけど、誰々君はすごく早くて4周走れた」と、話していました。
次の回、「今日は4周走れた!! でも誰々君は、5周も走ったねん、すごいやろ!! あぁ、くやしいなぁ?、次は僕も5周走りたい!!」
そしてついに昨日、「今日は5周走ったで!!」と、報告してくれました。
親子で喜び一杯
家に帰ってから、「なぁ、人間って、頑張ったら何でも出来るんやでなぁ」と一言。
あぁ、いい自信をつけさせていただいたなと、感謝しました。
それに、たくさん走れるお友達を素直に応援して、また自分もそうなりたいと頑張る気持ちがとてもいいなと思いました。
これからも、マラソンを続けて欲しいと願います。